HAEフォーラム in 群馬が開催されました。

平成29年6月16日(金)、本学臨床中講堂にて第1回 HAEフォーラム in 群馬が開催されました。
今回は、当センターの澤田悠輔先生が一般講演を行いました。

遺伝性血管性浮腫(Hereditary angioedema; HAE)は、補体第1成分阻害因子(C1インヒビター)の遺伝子異常により、ブラジキニンが異常産生されることで、全身の血管透過性が亢進される病気です。
具体的には皮膚、消化管粘膜、気道粘膜などに突然に(発作性)、繰り返し(反復性)の浮腫を生じますが、特に喉頭浮腫による窒息や腸管浮腫による腸閉塞の危険性があることから、救急領域では特に迅速な処置が必要とされています。

しかしながら、疾患頻度は約5万人に1人と、非常に稀な病気であるため、そもそも医師の間でも約45%程度しか知らないという調査結果もあります。
上記のようなHAEの急性発作に対しては、C1インヒビター製剤が唯一の有効な薬剤ですが、常備されている医療機関が少ないため、医療機関同士の連携や医療者間のHAEについての理解が重要だとされています。

今回のHAEフォーラムでは、HAEについての理解を深め、HAEを疑う患者さんがいれば適切に治療ができるようにすることが重要と考え、救急科だけでなく、皮膚科・耳鼻咽喉科・歯科口腔外科の先生も多数参加されていました。

澤田先生からは当院で経験したHAEの症例について、考察を踏まえながら発表をして頂きました。

また、今回のフォーラムでは大阪警察病院 ER・救命救急科から廣瀬智也先生に「HAEを知ること・疑うこと・地域で取り組むことの重要性」という演題で特別講演を行って頂きました。
廣瀬先生は大阪府内の救命救急センターと協力して、HAE患者さんを探すための前向きスクリーニングの臨床研究を行い、3年間で3人の新たなHAE患者さんを診断されています(Hirose T, et al. Medicine 2017;96(6):e6109.)

廣瀬先生の努力により、大阪府内でHAEの理解が広まり、さらに新たにHAE患者さんが診断されるようになったという講演をお聞きし、地域の医療者や病院が連携してHAE患者さんの診療に当たることの重要性を痛感しました。

上記の通り、HAEは稀な疾患で疾患認知度も高くないことから、診断に10年以上かかったという報告もあり、実は見過ごされている患者さんが数多くいる可能性が指摘されています。
こうした研究会を通して、HAEに対する医療者間の理解を深めることで、HAE患者さんの診断や治療に役立てることに繋がれば幸いです。


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